元本保証型の商品にすべき「お金」

 横田さんによれば、家計のお金は四つに分けて考えるとよいという。

 一つが「普段使うお金」だ。食費や光熱費など、普段の暮らしのなかで生じる出費について、1カ月半程度の生活費を現金や預金として専用の口座に入れておくとよいという。

 次に「とっておくお金」。病気やリストラといった何らかの事情で収入がなくなる場合に備えて、半年から1年分程度の生活費を蓄えておく。

 そして三つ目が「もうすぐ使うお金」だ。結婚や住宅の購入、子どもの教育費など大体5年以内に使う予定が決まっているお金は、あらかじめ取り分けておく。

「普段使うお金」だけでなく、「とっておくお金」や「もうすぐ使うお金」は、預貯金や個人向け国債など円建ての元本保証型の商品にするべきだとしている。

投資に充てるべきお金とは

 横田さんによれば、投資に充てるのは、この三つに当てはまらないお金だ。横田さんは次のように続ける。

「当面の間使う予定のないお金の範囲で投資をしていれば、相場が暴落しても困ることはありません。長い目で構えて資産の形成に取り組んでいるのだったら、株価の下落はむしろチャンスとしてとらえるべきです。同じ額を投じても、値下がりしたぶんだけ、より多くの資産を手に入れられますから。世界株インデックスの場合、2009年のリーマン・ショック後に急落したぶんも、大体5年で元の水準を回復しました。反対に、途中でやめてしまえば利益が得られる機会を失ってしまいます」

 新NISAがスタートしてから金融市場は基本的に上り調子だった。8月の相場急落は、新NISAで投資を始めた人にとっては、初めての荒れ相場と言える。投資の方針や資産形成のやり方を改めて見直し、自分のお金を大きく育てていくためのステップにしたい。

(AERA dot.編集部 池田正史)

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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