取材に応じる竹村幸さん(撮影:大谷百合絵)

 泳いだあとに水着のままミーティングに出なければいけない時もあって、内股に垂れてくるものが水なのか血なのか分からず、ひたすら赤か黒のセーム(吸水性に優れたスポーツタオル)でぬぐっていました。水着の上にジャージを着る手もあるんですけど、ジャージ内側の白色のメッシュ生地って血がつくと全然とれないので、汚したくなくて。

 今でも盛大な失敗として思い出すのは、陸上トレーニングの時のことですね。その日は生理が終わりかけだったので、ナプキンはつけずタンポンだけで過ごしていたら、みんなが「漏れてるよ!」と。見たら、日本代表の白いジャージが真っ赤になっていて……。そういう時、優しい子は腰に巻いて隠せるものを持ってきてくれます。

タンポンのひもが出ていたら…

――生理のトラブルに見舞われたら、女子選手同士で助けあうのですか。

 そうですね。たとえば、水泳は股関節をよく動かすので、タンポンのひもが水着から出てしまうことがあるんです。飛び込み練習の時なんかにそういう子を見つけると、周りから見えないよう、ほかの女の子たちがさっと後ろに立って「出てるよ」ってこっそり教えてあげたりします。

 あとは、水泳はどうしてもおなかを冷やすので、生理痛がひどくなって寝ている子がいたら、プールの掃除を代わってあげたりとか。突然生理になった時は、トイレで一緒になった人にナプキンを分けてもらうこともありました。

 生理の話ふくめ、スクールの先輩たちにいろいろと相談できたのもありがたかったです。面倒をみてくださるお姉様たちが10人くらいいて、家族には恥ずかしくて聞けないことも気軽に聞けました。

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「無理しないでね」は優しくない?