私ごとですが、私の父は7月に新型コロナウイルスに罹患し、入院しました。一時期は悪化してコロナ肺炎となり心配な状態に陥りましたが、それを脱することができたのは、ギリアド・サイエンシズ(米国)の「レムデシビル」という抗ウイルス薬が効いたからです。投与した途端に、高熱が下がり始めて、呼吸が正常化していきました。一命を取りとめることができたのは、ギリアド・サイエンシズのお陰であり、そこに投資していた皆さまのお陰です。私も少額ではありますが「御礼投資」したところです。
繰り返しになりますが、このようにモノやサービスの背景には投資家がいるのです。
この流れを考えると、投資は短期で利ザヤを取るものではなく、長期で企業の成長に寄り添うべきものという原則が見えてくると思います。私たちは令和の次の世界を、投資によってつくっていく立場です。つまり、世界の課題を解決する、世の中を便利にする、誰かの悩みを解消する、人の命を守る・救う……そういう視点から企業を選ぶことも大切に思います。
例えば、私がこの視点で選んだ投資先の一つに、ディア(米国)という会社があります。この会社は、自動運転トラクターを開発しました。また、肥料をピンポイントで散布して、消費量を大幅に減らす農機もあります。ディアの農機は、省力化、効率化を可能とし、農業のサステナビリティを支えていると私は考えています。ほかにも、世界中に次の時代を作れる企業があります。
世の中の課題・需要に対して、解決・供給できる企業が儲かる、そこに投資した私たちも儲かる。投資家、企業、従業員、社会のすべてに利益が生まれるという流れが、持続的に世界をより良くしていくものであると私は考えます。さらに申せば、私たちが投資で得た利益には課税されて、税金で国が運営されています。投資は世界をつくる歯車なのです。
今のような乱高下する相場を短期目線ではなく、このように広い目線で見れば、少し心が穏やかになるのではないでしょうか。綺麗に投資することが綺麗な世界を作ることになり、そして自分の利益にもなると考えています。綺麗事のように聞こえてしまいそうですが、結果的には再現性が高い投資といえるのではないでしょうか。投資は短期視線ではなく長期視線でしましょう。そうすることで、乱高下する相場でも恐怖心が芽生えにくい投資ができると思います。
※当コラムでは、株式投資に関して記述しましたが、あらゆる意思決定、最終判断はご自身の責任において行われますようお願い致します。ご自身の資産運用等において、損害が発生した場合、編集部ならびに筆者は一切責任を負いません。ご了承ください。