新田:そうそう。
長山:今日3回目の「くそばばあ」かな、て思いながら聞いていました(笑)。
新田:「(母を)泣かせてきた!」と言っても、驚きもせず笑顔で聞いてくれたよね。
長山:はい。聞きましたよ。
新田:たとえ私が悪かったとしても私の味方をしてくれるのがありがたくて。おかげで介護に煮詰まらず、やり遂げました。介護は大変です。一人で抱え込んでしまったら続かない。近くに理解者や、愚痴を言える相手をキープして、日々の悩みや苦しみをため込まないことが大切です。適切なアドバイスは、ケアマネジャーさんだったり、介護従事者の方だったりがしてくれます。日々の悩みは夫や家族などに、聞いてもらうのが一番だと思います。
長山:黙って聞く、だよね。
新田:はい。そうです。
長山:人を変えようとすべきではない。過去と人は変えられない。ならば今できることをやろう。そうやって生きるべきだと思っています。
―長山さんは、恵利さんの介護から学ばれたことはありますか?
長山:恵利のやり切っている感じを見て、自分の方が悔いが残るな、と思いました。自分の母親(87)は、今は赤坂で一人暮らしをしています。義母を見送った体験を生かして、悔いのないようにしたいと思いました。恵利のおかげで、遠かった母親との距離が縮まり、隔週で赤坂に行くようになり、25年続いています。家族の愛を知り、人生の理想的な終わり方や見送り方を知り、大切な人との切ないながらも愛のある別れを体験しました。
新田:夫にも親を大事にしてほしい、と私が提案しました。それだけは強く言いました。これはすべての人に伝えたいのですが、介護でつながる絆があるということ、介護を通して見えるものがたくさんあるということ。これに気づいてほしいと思っています。
―「おニャン子クラブ」のメンバーたちも介護の問題がふりかかる年頃ですね。
新田:私がぶっちぎりで早くに体験しましたが、みんなそろそろですね。私たち、そんな年になったんですよね。昔は10代だったファンの方も今は介護世代。楽しく「介護トーク」をしていますよ。これからもみんなで明るく楽しく年を重ね、介護を乗り越えていきたいですね。