お盆休みは実家に帰省する人も多いだろう。高齢の両親と向き合い、親子で「終活」に取り組むチャンスでもある。親子関係や相続のリアルについて、参考になる記事を改めて紹介する(この記事は2021年10月17日に配信した内容の再掲載です。年齢、肩書等は当時のまま)
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親の介護をするとき、夫婦はどんな形が望ましいのか。自身の母親の介護を6年半続けたタレントの新田恵利さん(53)は、介護中の悩みや怒り、つらさ、悲しみなどを乗り越えられたのは、「夫の存在が大きかった」と言います。新田さんの地元、神奈川県の逗子海岸で、新田さんと夫の長山雅之さん(52)が、そろって介護の時の様子について語ってくれました。
―1年前の新田さんへの取材では、「母が旅立った時、後悔しないように、そう思ってやっている」とおっしゃっていました。終わってみてどうですか?
新田恵利(以下、新田):はい。最後に温泉に連れて行ってあげたかったな、とか重箱の隅をつつくように振り返れば小さな悔いは出てきますが、でも「悔いはありません」。そう言い切れます。17歳の時、父が急死したので、それからずっと母を大切にしよう、母を守ろう、母が亡くなるその瞬間まで大切にしようと、そう生きてきました。
―夫婦で旅行する時はいつもお母様がご一緒だったのですよね。
新田:母に「来る?」と聞くと、元気なときは100%「うん」でしたからね。母は夫のことが大好きで、夫も母を大好き。日々の生活も旅行も、いつも私たちは一緒でした。夫と付き合っている時から、「私と結婚したらもれなく母とワンコがついてくるよ」と彼には伝えていましたし(笑)、それを理解した上で私を受け入れ、母も私も大切にしてくれました。
長山雅之(以下、長山):(新田さんとお母さんの関係は)もう別物でしたからねー。私の母は実業家で恵利のお母さんとはタイプが違う。早くに離婚して、必死でした。私は家政婦に育てられたような感じです。ですから、いわゆる家庭のお母さんの愛情というのを、義母からいっぱい注いでもらった感じです。まだそばにいるような気がして、不思議な気持ちです。恵利と買い物に行っても「お母さんの分は?」というのがなくなってしまった今、とても寂しいです。