8月11日の「山の日」をはさみ、18日まで最大で9連休というケースもある今年のお盆休み。家族がいるとそれぞれの実家に帰省するシーズンだが、コロナ禍では感染対策のために「帰省スルー」し、コロナ明けで帰省できるようになると「帰省ブルー」という言葉が世間では飛び交っている。「お盆は帰省」という考え方が揺れ動くなか、さらにこれから変わっていく可能性もあると、専門家は指摘する。
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明治安田生命保険相互会社が実施した「夏に関するアンケート調査」(7月18日発表)によると、今年の夏休みに「外出する」人は58.5%、「外出しない」人は 41.5%と、昨年から大きな変化は見られなかった。
外出する人の過ごし方としては、56.9%が「国内旅行」と昨年の54.6%から増加。一方、「帰省」は22%と、昨年の26.2%から減った。
昨夏のほうが「帰省」が多かったのは、新型コロナが5類に移行し、規制が緩和されて初めてのお盆だったために、帰省する人が増えたからだと考えられる。
そして今年の夏は「帰省」から「旅行」へとシフトしているようだ。
「帰省しなかったら楽」と知ってしまった
コロナ禍で、実家に帰らずに済む「帰省スルー」を経験したうえで、今夏は帰省する人たちの気持ちは、様々のようだ。
「コロナ禍で帰省しなかったら、『こんなにラクなんだ』と実感してしまった」
と話す40代女性。コロナの規制も緩和された昨年も、お盆の帰省は「なかったこと」にしたが、今年も「スルー」することにしたという。
「真夏の暑い中、混雑する新幹線に乗って家族で移動するって、もう考えられない。手土産を買いに行ったり、家族の荷物の準備をしたり……。あと、コロナ以降、子どもがちょっとでも咳をしていたら高齢者と会わせるのはアウトと思うと、体調管理も気がかり。よって、夏は帰省スルー」