昨年のワールドカップ王者・ドイツを相手に豪快なダンクを決める八村塁(写真:代表撮影/AP/アフロ)
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 パリ五輪で大きな注目を集めた競技の一つが、バスケットボールだ。男子はNBAで活躍する八村塁が代表チームに参加したほか、河村勇輝、渡邊雄太、ジョシュ・ホーキンソンなども集まり、バスケファンの間では「過去最強」という声があがっていた。女子バスケも前回の東京大会で銀メダルを獲得しており、2大会連続でのメダル獲得に期待が高まっていた。しかし、結果は男女ともに1勝もあげることができず。1次リーグで敗退となった。
 この結果をどう見るべきか。長年バスケットボールを取材してきたスポーツライターの小永吉陽子氏に寄稿してもらった。(『パリオリンピック総集編』(8月17日発売)より)

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 東京とパリでは同じ1次リーグ敗退でも中身が違った。確実に進化した姿を見せたのが、48年ぶりに自力で五輪出場を果たした男子バスケだ。

 2023年のワールドカップ覇者のドイツとは試合中盤まで競り合い、東京五輪銀メダルのフランスには残り16秒まで4点リード。延長に持ち込まれて勝利を逃したが、大健闘を見せた。

 善戦の要因は、八村塁と渡邊雄太、ジョシュ・ホーキンソンらインサイド陣がリバウンドで食らいついたこと。また戦略の肝となる3ポイントの確率が39・3%(全体3位)まで上昇したこと。そこに、23歳の若き司令塔、河村勇輝の覚醒が加わった。

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男子チーム、女子チームに足りなかったものとは