ドリブルから攻め込むエースの山本麻衣(右)。初戦となったアメリカ戦では17得点、5アシストと活躍を見せた。しかし、この試合で脳しんとうを起こし、残り試合を欠場した(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ただ今回は「ベスト8」の目標のために主力を中心にした勝ち筋をつかみにいき、控えを含めた戦術を細部まで構築するには至らなかった。この課題に挑むには、パリで強豪相手に成長できたように、五輪のような世界の舞台で経験を積んでいくことが、強化の近道であることを確信した大会になった。

 一方、東京五輪で銀メダルを獲得した女子は1次リーグで全敗し、早すぎる幕切れを迎えた。

「走り勝つシューター軍団」のコンセプトのもとに戦ったが、高さがある欧米勢の前に日本の良さを消されてしまった。永遠の課題である体格差に対し、今後も模索し、挑戦していくことになる。

(スポーツライター・小永吉陽子)