兒玉遥

芸能界は「スター性」よりも「親近感」

 かつての国民的アイドルグループの人気メンバーが自ら整形を告白するようになるとは、時代の変化を感じざるを得ない。しかしなぜ、芸能人が美容整形を告白するようになったのか。

 芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう話す。

「ひと昔前に比べると、美容整形に対する世間のイメージがそれほどネガティブなものではなくなってきたことが大きいと思います。今は、容姿や外見を重視する“ルッキズム”に厳しい世の中ですが、SNSなどでは、『美容整形をすることで自分に自信が持てて、より良い人生を送れるならその方がいい』『整形とか関係なくきれいでかわいい方がいろいろな意味でメリットがある』など、肯定的な意見が多く見られます」

 こうした背景に加えて、芸能界のありようの変化も無視できないという。

「実際のところ、美容整形や豊胸手術をしている芸能人は昔から数多くいました。ただ、昭和の時代には『スター』と呼ばれていたように、人気芸能人は遠い憧れの存在でした。だからこそ、整形の告白は芸能界でも一種のタブーでした。しかし、『カリスマ性』や『スター性』よりも『親近感』や『好感度』を売りにする芸能人が多く台頭していくなかで、整形告白も許容される風潮になってきています。とくに近年は、一般社会でも整形がより身近なものになってきていますし、整形を告白したからといって好感度が急落するようなことにはならないという判断があるのだと思います」(竹下氏)

 今の芸能人には、整形告白も“親近感(=人気)”につながっているのかもしれない。

(立花茂)

著者プロフィールを見る
立花茂

立花茂

東京都出身。大学を卒業後、スポーツ紙の芸能記者として活躍。その後、週刊誌や月刊誌、ニュースサイトなどでも記事を執筆。得意ジャンルは芸能だが、取材対象はアニメ、競馬、プロレスなど多岐に及ぶ。最近はweb3.0にも興味あり。

立花茂の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
【セール対象商品も】お中元から季節の手土産まで。夏を楽しむ贈りものはAmazon夏ギフト特集で