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 手に職をつけられ安定性もあるとして、根強い人気がある医療系の国家資格。大学にも医療系の国家資格取得を目指して日々勉学に励む学生が多くいる。では、実際にどのような大学がどれほどの医療系国家試験合格者を輩出しているのだろうか。「受験偏差値だけに頼らない大学評価」をコンセプトに、編集部の調査・収集データに基づき作成した『大学ランキング2025』(朝日新聞出版)では、「資格、採用試験ランキング」として、各大学の作業療法士、理学療法士、臨床検査技師などの医療系国家試験合格者数を掲載している。今回、その一部を紹介する。

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合格者数上位を私立大が占める。歯科技工士は広島大がトップ

 理学療法士と作業療法士は、いずれもリハビリテーションを担う医療職。理学療法士は「立つ」「歩く」「座る」といった日常の基本的動作の回復を支えるのに対し、作業療法士は「食事」「入浴」「歯磨き」といった応用的動作や、精神面での社会適応能力の回復を支えるという職務内容の違いがある。

 作業療士の合格者数で1位の国際医療福祉大保健医療学部は、学部・学科の垣根を越えてチーム医療を学ぶ「関連職種連携教育」を実践。同大は言語聴覚士の合格者数でもトップだった。

 理学療法士の1位は帝京科学大。早期からの学外実習で実践スキルを磨くほか、「動物介在療法」や「ロボットセラピー」といった科目を履修して将来の選択肢を広げることも可能だ。

 その他の医療系資格の合格者数1位は、臨床検査技師が藤田医科大、臨床工学技士と義肢装具士が新潟医療福祉大、診療放射線技師が鈴鹿医療科学大、視能訓練士が帝京大、はり師・きゅう師・柔道整復師が帝京平成大。

 私立大がトップに並ぶ中、歯科技工士では国立の広島大が1位にランクイン。歯学部口腔工学専攻は日本初の歯科技工士養成機関で、生物学的知識や技能を備えた医療人を育成する。「フェイシャルセラピスト養成講座」や「細胞培養実習」など、特色ある実習にも取り組んでいる。

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