青森山田と並ぶ存在としては神村学園(鹿児島)を挙げたい。昨年夏の甲子園では準決勝に進出(仙台育英に2対6で敗戦)。今年春のセンバツでも初戦で秋の関東大会優勝校である作新学院(栃木)を破り、続く大阪桐蔭との試合では敗れたものの2対4と接戦を演じた。チームの中心は昨年から不動の中軸を任されている正林輝大(3年)だ。春のセンバツでは多くの打者が低反発となった新基準の金属バットに苦しむ中で軽々とホームランを放ち、4月に行われたU18侍ジャパンの強化合宿でも木製バットで快音を連発するなど、打撃技術の高さは高校球界でも屈指と言える存在である。

 正林の前を打つ大型ショートの今岡拓夢(2年)も来年のドラフト候補に挙がる可能性の高い注目のプレイヤーで、5番の岩下吏玖(3年)も上背はないもののパンチ力は十分だ。またセンバツでは故障明けで本調子ではなかったエースの今村拓未(3年)もこの夏は復調しており、夏の鹿児島大会では5試合で42得点、3失点と圧倒的な強さを見せつけて全国への切符をつかんでいる。昨年夏のベスト4を経験しているメンバーが多く残っているというのも強みであり、前回大会を上回る成績も期待できるだろう。

 この2校以外では花巻東(岩手)、聖光学院(福島)、滋賀学園(滋賀)の3校も力がある。花巻東は昨年秋の県大会は早々に敗れたものの、春以降の公式戦は15戦全勝。東北大会では青森山田にも2対0で競り勝っている。昨年夏の甲子園を経験したエースの小松龍一(3年)が故障の間に他の投手が成長したことが大きい。攻撃面では機動力を使えるのが強みだ。

 今大会で19度目の出場となる聖光学院も、例年通り粘り強いチームを作ってきた。中心となるのはエースの高野結羽(3年)で、その高野が崩れても古宇田烈(3年)など他の投手でカバーして福島大会を勝ち上がってきた。一昨年は準決勝まで勝ち進んでおり、今年も上位進出の可能性は十分あるだろう。

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近年は“全国初制覇”の高校も目立つ