神村学園の強打者・正林輝大
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 8月7日に開幕する夏の甲子園。センバツ優勝の健大高崎(群馬)、準優勝の報徳学園(兵庫)が揃って春夏連続出場を果たし、春夏合計で9度の全国優勝を誇る大阪桐蔭(大阪)、夏は最多となる7度の優勝を経験している中京大中京(愛知)など強豪が多く出場を決めている。

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 ただその一方で甲子園優勝には縁がない地区があることも確かだ。現時点で夏の甲子園で優勝がない地区を挙げると北北海道、青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、富山、石川、福井、山梨、滋賀、鳥取、島根、岡山、長崎、本、宮崎、鹿児島と19にのぼる(このうち福井、山梨、岡山、長崎、熊本、鹿児島は春のセンバツでは優勝を経験している)。49地区のうち19地区となると、割合としては約4割となり、まだまだ優勝が遠い地区も多いというのが現状だ。

 ではこの19地区の代表で、今年悲願の優勝達成が期待できるチームはあるのだろうか。まず筆頭に挙げたいのが青森山田(青森)だ。昨年秋の東北大会で優勝を果たすと、春のセンバツでも京都国際(京都)、広陵(広島)という強豪に競り勝って準々決勝に進出。この夏の青森大会もいずれもプロ注目の好投手を擁した八戸学院光星、八戸工大一、弘前学院聖愛という県内のライバル3校を続けて破り、春夏連続の甲子園出場を決めた。

 そんなチームの最大の強みは関浩一郎(3年)、桜田朔(3年)という強力な投手二枚看板だ。ともにコンスタントに140キロ台中盤をマークするスピードがあり、大型投手でありながら安定感も備えている。春の青森県大会と東北大会、夏の青森大会の13試合で許した失点はわずか14、半分以上の7試合で相手を0点に抑え込んでいるのだ。打線も4番を打つ原田純希(3年)など力のある打者が複数揃っており、得点力も高い。優勝未経験の地区だけに絞らなくても優勝候補に挙げられるだけの力を備えていることは間違いなく、勢いに乗れば一気に頂点まで駆け上がる可能性もありそうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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