2月19日付朝日新聞掲載の「朝日歌壇」
2月19日付朝日新聞掲載の「朝日歌壇」
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 毎週日曜日の「朝日新聞」に掲載される「朝日歌壇」。2月19日のこの欄に3首、3月26日にも2首、本誌の休刊を惜しむ歌が選ばれた。残念ながら選に漏れた投稿もたくさんあったという。投稿者たちの“思い”を聞いてみた。

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<残念な「週刊朝日」休刊よ、東海林さだおの見開きもまた>と詠んだのは福島県相馬市の根岸浩一さん(63)。

「短歌を作り始めて5年くらい。新聞に投稿するということで、なるべく時事的なテーマで歌作りしています。最も多く詠んでいるのは震災からの復興の様子です。東日本大震災の時はものすごい揺れで、わが家は屋根瓦が落ち、壁にはヒビが入りました。幸い避難生活はせずに済みましたが、倒壊した家もたくさんありました」

 あれから12年。復興は進んでいるが、それでも去年起きた地震で、再び被害に遭った人も多く見てきたと話す。

 そんな根岸さんは本誌の大ファンだと言う。

「読み逃してしまった号があっても、それは図書館で読むなどして欠かさず読んでいる。歌にも詠みましたが、東海林さだおさんの『あれも食いたい これも食いたい』が好きで、読めなくなってしまうのはとても残念で、それを歌にしました」

 実は4年前にも、朝日歌壇に根岸さんの歌は掲載されている。

「その時も週刊朝日のことを詠みました。週刊文春は表紙で買うけど、週刊朝日は巻末で買うという歌でした。つまり、文春は表紙を描く和田誠さん、朝日は山藤章二さんのブラック・アングルで買うという内容の歌だったんです。ご縁があるんでしょうかね(笑)」

<この国が軍拡に舵を切る最中「週刊朝日」休刊決まる>と詠んだのは静岡県磐田市の白井善夫さん(72)。週刊朝日の愛読者で、これまで2度、本誌紙面に登場している。1回目は2015年12月11日号で「犬ばかばかペットばか」のコーナー、2回目は今年の3月3日号の「お便りクラブ」に蝶花楼桃花さんのことを書いて掲載されている。

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