8月1日から「大和ハウスプレミストドーム」と命名された札幌ドーム
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 札幌ドーム(以下ドーム)のネーミングライツ(命名権)が売れたことが話題となっている。また、ラグビーの試合誘致に力をいれるなど、日本ハムが“抜けた穴”を埋めるべく、厳しい状況だったドームに光も見えてきたようにも感じる。だが、今後についても先行きを不安視する声は決して少なくないという。

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 ネーミングライツの売却は、日本ハムが北広島市のエスコンフィールドHOKKAIDO(以下エスコン)へ移転して以来、ドームにとっては久しぶりの朗報だった。

 命名権を買い取ったのは、分譲マンション事業などを行う大和ハウス工業。同社の応募は5月下旬で、本日8月1日から「大和ハウスプレミストドーム」の名称に変わった。ちなみに「プレミスト」とは2007年から同社が供給する分譲マンションのブランド名だという。

 7月22日にはHBC北海道放送が関係者の話として、契約期間は2028年7月31日までの4年間で、金額は札幌ドームが希望していた年間2億5000万円とみられると報じている。

「ドーム側の希望価格で買い手が見つかったことに驚いた。命名権での広告効果はそこまで見込めないはずなので、周辺開発を含めた多角的な業務提携のような形になるように思える」(大手広告代理店関係者)

 命名権に関してはドーム側が、年間で2億5000万円以上、契約期間は2~4年を希望していたことに関し、「条件が強気すぎて買い手は見つからないのでは」という声も多かった。実際、当初の応募期限の今年2月までには問い合わせはあったものの応募は1件もなく、無期限で受付を延期することとなっていた。

「札幌市はドーム周辺を『スポーツと集客交流の拠点性を高めるための高次機能交流拠点』と位置づけている。ドームを中心とした再開発計画を練っている真っ最中。建設、管理を含めた多くを大和ハウス工業に任せるということなのかもしれない」(在京テレビ局スポーツ担当者)

「大和ハウス工業は売り上げ5兆円以上を誇る優良企業。しかし命名権だけで年間2億5000万円を使うほど太っ腹なことはしないでしょう。再開発計画の中心企業となることに加え、同地区へのタワマン建設などを計画しているとも言われる。それなら投資金額分の回収も可能だろう」(経済関連誌ライター)

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