中日の細川

1軍で本来の力を発揮できない選手たち

 水谷の姿は、細川成也(中日)と重なる。DeNAでは1軍に定着できず、6年間通算で6本塁打、19打点。それが22年オフに現役ドラフトで中日に移籍すると、昨年は140試合出場で打率.253、24本塁打、78打点とブレーク。今季も主軸でチームに不可欠な存在になっている。

 現在は独立リーグでコーチを務めるNPBの元コーチは長距離砲育成の難しさをこう語る。

「1軍では少ないチャンスで結果を出せなければいけないのでスイングがどうしても小さくなってしまう。そうなると持ち味が失われ、本来の力を発揮できない。ファームでやっていた打撃を実践できないままプロの舞台から消えてしまう選手が多いのが実情です」

 水谷、細川に続く、才能を埋もれさせている「金の卵」はいるだろうか。

中日のブライト健太

 パ・リーグの球団編成担当はその有力候補として、中日のブライト健太を挙げる。

「スイングスピードが速く、足も速い。ファームの試合を見ると姿を追いかけてしまいます。守備や走塁で状況判断に課題がありますが、1軍で使い続ける価値がある選手だと思います。トリプルスリーとまではいかなくても、打率.280、15本塁打、30盗塁をクリアできる潜在能力を秘めている。中日でレギュラーを目指していますが、他球団でも主力になれる素材です」

次のページ
天性の長打力を持つ強打の捕手は