イラスト:サヲリブラウン
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 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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「スーさんは○○がお好きですよね?」と言われることがあります。ラジオやポッドキャストを聞いてくださっているのだなと感じることもあれば、10年前に出した本に書いた内容だなと思うこともある。

 そのどれもが間違いではありません。ハマっていた時期は異なれど、すべて本当のこと。つまり、私の好みは変化し続けている。

 好きなもの、習慣、ハマりもの。それらの大人になってからの年表を作ったことはありますか? 頭のなかでザッと並べるだけでも構いません。私の場合は、結構な宗旨替えを頻繁に行っていることに気づきました。そして、少し自分が誇らしくなりました。一貫性がないとも言えますが、苦手を克服した故の宗旨替えがいくつもあったからです。

 40代に筋トレを始めたのは、中年には生きていくための筋肉が必要だと痛感したのに加え、子どもの頃から軽めの有酸素運動を長く続けるのが大の苦手だったからです。しかし、いまではウォーキングが日常生活に欠かせなくなっています。猛暑のせいで以前ほどは歩けませんが、ならば筋トレを再開しようという気持ちになっています。

 我が家の冷蔵庫にはたいてい納豆があります。しかし、10年前にはひと口も食べられませんでした。子どもの頃から苦手だったキュウリも、いまは難なく食べられます。

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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