池田市の冨田前市長は百条委員会の「不信任決議が相当」という調査報告書が採決されたのち、辞職の意向を表明した(2021年4月26日)

「職員の後ろには県民がついている」

 2020年10月、池田市の冨田裕樹市長(当時)が、市役所に家庭用サウナ、ベッド、電子レンジなどを大量に持ち込み、「生活の場」としていることがニュースサイト「デイリー新潮」などで報じられ、大きなニュースになった。その後、タクシー券や市役所駐車場定期券の不正使用、議会での虚偽答弁、市職員を大声で叱ったり自分がサウナなどで使ったタオルを洗わせたりするパワハラ行為など、冨田氏に関する疑惑が次々に浮上した。

 冨田氏は疑惑を否定したが、池田市議会は同年12月、冨田市長に関する調査特別委員会(百条委員会)を設置し、疑惑の調査を進めることになった。

 池田市の百条委員会では、数人の市職員が証言を求められたが、その中で唯一、公開の場で証言をしたのがAさん。市長に接することが多い秘書課職員で、最重要の証人だった。

 Aさんの証言もあって、百条委員会がまとめた調査報告書は「パワハラがあった」と認定し、冨田氏の「不信任決議が相当」と結論づけた。冨田氏は調査報告書が市議会で採決された後、辞職を表明した。

 Aさんは百条委員会について、こう話す。

「冨田氏は私の証言後、市長を辞めると表明しました。証拠と記憶をもとに本当のことを証言し、市民がそれを後押ししてくれた結果です。兵庫県職員の皆さんの後ろにも、県民がついている。斎藤知事のパワハラ、恫喝や不当な人事があろうとも、県民の力が勝つはずだ」

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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