ここで毎日お化粧をしていたという洗面台横のスペース/ビフォー

「話し合ってみると、大人の方が固定観念でガチガチでしたね。子どもの方が、柔軟性があってきちんと意見もありました。今までごめんねって感じです」

 そうして家族で意見を出し合い、理想の位置にモノの定位置を決めると、グンと生活しやすくなりました。もし家の中が散らかっても、ゴールのきれいな家の状態がわかっているので、すぐに片づけられます。

「最近では、夫が食事を作ってくれるようになりました。キッチンがきれいになったし、コミュニケーションが増えたからでしょうか。子どもも夕飯のお手伝いをよくしてくれます。頑張って片づけの時間をとらなくても、家の中はきれいなままだし……。私、すごく暇になっちゃいました!(笑)」

 フルタイムの仕事と小学生の子どもの育児で忙しいママから、「暇だ」という言葉が出ることにビックリです。

 さらに、さおりさんは気持ちの面でも大きく変わったことを教えてくれました。

ここで毎日お化粧をしていたという洗面台横のスペース/ビフォー

「今まで友だちの家に遊びに行ったときに、すごく劣等感があったんです。料理やインテリアの話になっても、『この家はこんなに片づいているのに、うちはなんであんなに散らかっているんだろう』って。でも、今はそんなこともまったく思わなくなって、対人関係も明るくなりました」

 自分の時間が増えて、気持ちも晴れやかになったさおりさん。「45日間では片づけられない」と思っていたときとはまるで違う、輝く笑顔を見せてくれました。

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西崎彩智

西崎彩智

西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。公式サイトはこちら

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