ちなみに関電については、14年1月に送電線談合事件で職員240人による予定価格漏洩が、19年9月には役員ら83人による福井県高浜町の元助役からの3.7億円の金品の受領が、20年3月には経営不振で減額した役員報酬の退任後補填なども判明した。反社会的行為の常習犯なのだ。
その関電は、今回のカルテルを各社に働きかけた首謀者でありながら、最初に公取委に不正を申告したことで、課徴金減免制度により処分を免れた。関電に「仁義切り」をしながら「まじめに」カルテルをやっていた同業他社を公取に売ったわけだ。国民を裏切ることなどなんとも思わないだろう。現に、原発の事故やゴミのコストなどをすべて我々につけ回ししながら「原発は安い」と国民を騙し続けている。
嘘にまみれた電力市場を放置して料金値上げなど笑止千万。電力システムを抜本改革して本気の競争をさせれば、値下げさえ可能になるはずだ。
※週刊朝日 2023年4月21日号