AERA 2024年7月29日号より

 一緒に決めたルールは自己責任もあって守らなくてはという意識が働くのか、ルールは守られトラブルもないと女性は言う。

「スマホは、基本的に使い続けたくなるように設計されているので、何も規制がなければだらだらとずっと使い続けるのは当たり前です。これは大人でも立証されています。だからこそ、子どもには大人の適切な介入がなければ危険度は増すと考えています」

 ITジャーナリストで成蹊大学客員教授の高橋暁子さんも「保護者の役割が大きい」と話す。

「学校でもスマホリテラシーなど知識を学ぶことはできますが、教員は子どものスマホに直接タッチすることはできません。フィルタリングやペアレンタルコントロールなど、子どもをネットの危険やトラブルから守る機能を設定できるのは保護者だけ。しかも、子どもは自分が納得しなければ自分で設定を外したりするので、子どもと話し合った上で決めることが重要です」

 加害者にならないことも大切だ。

 悪質な書き込みや投稿は、未成年であっても名誉毀損罪や侮辱罪に問われることはありえる。そのためにも、顔が見えないSNSであっても、人が嫌がることはしない、他人の顔写真や個人情報などは決して無断で公開しない。こうしたネットリテラシーを学ぶことも必要だ。

トラブルになったらすぐ相談機関に連絡を

 それでも万一、トラブルになったら「保護者はすぐ相談機関に連絡してほしい」と高橋さん。

 下の一覧にあるように、トラブルに遭った時の相談機関は様々ある。

 例えば、一般社団法人セーファーインターネット協会が運営する「誹謗中傷ホットライン」では、裸の写真や誹謗中傷の書き込みなどに対し、相談者に代わってSNSを運営するプロバイダーなどに削除を促してくれる。

「トラブルに遭っても親に言えず、一人で悩みを抱える子どももいます。子どもにも相談窓口を教えておくのもいいと思います。ネットのトラブルは、早ければ早いほど、被害を最小限に抑えられます」(高橋さん)

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