ソーセージやハンバーグといったレトルト品をつくる日本ハム(大阪市)は、自衛隊への供給品の中から人気の商品を一般向けの仕様にして商品化。ネットでも販売中だ。防災用や備蓄用として使えるので、興味がある人は試してみるとよい。
隊舎用のベッドは19年まで、老舗メーカーのフランスベッド(東京都新宿区)が手がけてきた。
「二段ベッドとスプリングマットレスを納入していました。従来は布団だったそうですが、現在のスプリングマットレスに仕様がアップしたと聞いています。強度や精度は厳しく統一されており、高い基準の規格が求められた。納品前にそのつど、耐久試験などの検査を行ってから出荷していました」(広報担当者)
自衛隊との取引は30年ほど続いたという。
取引中は毎年1回、まとまった単位のベッドを納めた。納入先の地域や注文数は年によってばらつきがあり、納入後にどのように使われているか知らされることはなかったそうだ。
現在は別の会社が担っており、取引をやめた理由は「回答を控えさせていただきます」(同)。市販用のベッドの使用期間は約10年というから、現在でも使われているものがあるかもしれない。
バイク用ヘルメットの世界大手SHOEI(東京都台東区)は、陸海空、各自衛隊の戦闘機やヘリコプターのパイロット用の「航空ヘルメット」をつくっている。
世界有数のヘルメットメーカーということもあり、自衛隊に納めるのも意外に感じられないかもしれない。だがその開発は一筋縄ではいかなかったようだ。
■自衛隊と市民をつなげる役割も
『元自衛官しか知らない自衛隊装備の裏話』(パンダ・パブリッシング)によれば、もともと1980年代に、それまで長く米国製やそのライセンス品が使われてきたところへ、同社が新型品の開発を打診。軽量化や遮音性、装着性といった工夫を重ね、純国産品として初めて採用にこぎつけた経緯がある。
同社の営業担当者は言う。