陸上自衛隊の朝霞駐屯地を視察した岸田文雄首相(2021年11月、代表撮影)と防衛省
陸上自衛隊の朝霞駐屯地を視察した岸田文雄首相(2021年11月、代表撮影)と防衛省
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 自衛隊の装備は、戦車や戦闘機、艦艇といった兵器や火器だけではない。広い意味では、食べ物から備品まで、自衛官が使うあらゆるものが含まれる。防衛省や自衛隊の活動を支える意外な会社を見てみよう。

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「『防爆』の森電機」と聞いてピンとくる人は、そう多くないだろう。

「防爆」とは文字どおり、爆発を防ぐ技術のこと。燃えやすいモノを扱う工場などで使われる電気機器や配線から、火花が飛び散ったり高温になったりして思わぬ爆発が起きないよう、対策を講じることを指す。

 そんな技術に定評のある森電機は2016年、会社の名前を変え、現在は大黒屋ホールディングス(東京都港区)と称している。

 子会社には、ブランド品や金券の買い取りで有名な大黒屋を抱える。あのオレンジ色や黄色の看板でおなじみの質屋だ。

 質屋を前面に出した社名に変わっても、防爆技術を生かした電機事業は健在だ。可燃性のガスや液体を扱う化学工場や油槽所、火力発電所といった取引先の一つに、自衛隊がある。電機事業の営業担当者は言う。

「産業用の照明器具や電路配管器具のメーカーとして、入札に参加し、特殊な電圧向けや塗装といった特別な仕様の製品を納めています。民間向けの取引が多いのですが、自衛隊向けも機器や部品の補修や交換を含め、それなりのボリュームがあります」

 同社は、意外な防衛銘柄と言っていいかもしれない。

 防衛銘柄というと、まずは戦車や戦闘機、護衛艦といった大型の装備や、機関銃や銃弾などの火器を手がける会社が思い浮かぶ。

 だが現実には、制服や迷彩模様の戦闘服から、階級章や記念章、さらに野営で使うテントや食器、調理用器具、スコップや双眼鏡といった細々としたものまで数多い。国が調達して支給する「官給品」だけでなく、隊員が自腹で買って補うものも含めれば、裾野(すその)はさらに広がるだろう。

 そのため「防衛」とは一見結びつかないように見える会社が手がけているケースもある。

 たとえば、訓練や災害派遣で前線に出る隊員用の「戦闘糧食」は大手食品メーカーも携わる。

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