
「54年前の発売当初から大事にしている、現在月に2種ずつ入れ替えながら120種類という豊富なラインアップから選べる楽しさ、そしてトミカは車種にかかわらず箱のサイズが統一されていて、集めやすさもあると思います」
店舗での状況を、タカラトミーフィールドテック店舗運営課上級主任の澁谷清一さんは、インバウンド客は増加傾向にあり、約3割を占めると言う。
「インバウンド観光客の来店の多い専門ショップ、東京店・大阪店では、トミカ自体、低価格ということもあり、複数点購入される方が多い印象です」
「トミカショップ東京店」副店長の神山智史さんは、海外と国内で人気車種に特徴がみられると言っていた。
「日本の方には日本車を中心にパトカーや建機といった『はたらくくるま』が人気です。海外の方は外国車に加え、日産 NISSAN GT−Rやトヨタ GR スープラ、ホンダシビック TYPE Rなど、ピンポイントで人気の国産車があります」
海外で完売の商品も
タカラトミーが展開する人気シリーズ「トランスフォーマー」も、インバウンド客に人気が高い。タカラトミー広報課の立木里奈さんが言う。
「海外で完売したものや日本オリジナルシリーズが購入できることもあって、人気が高いです」
カプセルトイもトミカも、西川氏が挙げる条件そのままに人気の日本みやげとして不動の地位を獲得している。万博開催も控え、インバウンド観光客は今後も後を絶たず訪れそうだが、日本に行くならカプセルトイ! トミカ! が合言葉としてさらに拡散されるかもしれない。(ライター・太田サトル)
※AERA 2024年7月15日号