昨年のオールスターのホームランダービーで優勝し、笑顔を見せる巨人の岡本和真

日本も18年から球数無制限に

 日本のホームランダービーはどうだろうか。セ・パ両リーグから計8選手が出場し、トーナメント方式で対戦。球数無制限で2分間打ち続けて、ホームラン数を競う。球宴の試合前の2日間にわたって準々決勝、準決勝、決勝が行われる方式だ。

 かつて、セ・リーグでホームランダービーに出場したスラッガーはこう振り返る。

「ホームランを狙おうとするとどうしても角度をつけて引っ張りにかかる打ち方になる。試合前練習のフリー打撃ではホームランを狙ってすべての球をフルスイングするわけではないので、そこは違和感でした。しかも球数無制限なので、ひたすら打ち続けなければいけない。打撃のバランスが崩れるのが怖かったですね。ファンは盛り上がりますし、イベントとしては必要なのかなとも感じますが、もう一度出たいかと聞かれると気乗りしないです」

 NPBのホームランダービーが球数無制限になったのは18年から。08~17年は7アウト制で本塁打数を競う方式だった。その以前は見逃しをのぞく10球を打ち、3選手の合計本塁打数で競うリーグ対抗の団体戦だった。

「限られた少ない球数で本塁打を打つホームランダービーの方がインパクトに残りましたね。パワーや体力だけではなく、ホームランを打つ技術が見られるのが醍醐味でした。80年代は面白かったですよ。ランディー・バース(阪神)がサク越えを連発して、落合博満(ロッテなど)は軽く振っているように見えるのに打球がスタンドに吸い込まれていく。高卒の新人でオールスターに出場した清原和博(西武など)も強烈でした。まだあどけなさが残る18歳の少年がスタンド上段にアーチを積み重ね、両軍ベンチは大盛り上がりでした」(スポーツ紙デスク)

 ホームランは野球の華だ。長距離砲が集うホームランダービーはファンの人気が高いが、出場する選手がストレスを感じたら本末転倒だ。日米で現行のルールを見つめ直す必要があるかもしれない。

(今川秀悟)

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