水原氏への“情”は残っている?
声明のなかで、大谷選手は水原氏のことを「一平さん」とさんづけで呼び、時折、唇を噛んでいるようにも見えた。大谷選手は水原氏に対していまだ“情”のようなものが残っているのだろうか。
「そこは、やはり6年間の濃い関係があったからでしょう。これまでの感謝の気持ちが『一平さん』という表現に現れたのだと思います。その一方、『ウソ』という言葉も6回ほど繰り返し、複雑な気持ちが交錯していることがうかがえました。これまでの感謝の思い、パートナーを失ってしまった悲しみ、そして、これから進んでいく決意……いろいろな気持ちを声明の中に感じ取ることができました」
ともあれ、大谷選手は声明で身の潔白を説明したことで、これからもドジャースで活動していくことに障壁はなさそうだ。
「大谷選手の声明内容を考えれば、メジャーリーグ機構や球団から処分が下されることはあり得ないと思います。今シーズンも100%の力を出して活躍してくれるはずですし、何よりも日本人としてまた応援できることがうれしいですね」
水原氏というパートナーは失ったが、ドジャースでの野球人生は始まったばかり。すべてを吹っ切るような特大ホームランを見たい。
(AERA dot.編集部・上田耕司)