寒さが急に厳しくなり、「冷え」のため体調を崩す人続出! 年末年始の愉快な食生活により、体もなんだか重い・・・そんなどんよりした小寒の時季、いつもの飲み物にちょっと加えるだけで代謝を上げ、見た目ごと体をスッキリさせてくれるという ありがた〜い食べ物があるのをご存じでしょうか? それは「しょうが」! 英訳『ginger』は「元気」「生気」「活気」という意味をもち、漢方薬にも欠かせません。とくに冬に飲む『しょうが紅茶』は、ダイエット効果が高いことでも評判ですね。そのポカポカのヒミツとは?
この記事の写真をすべて見る体が速攻であたたまる!! このパワーはいったいどこから?
ショウガって、食べたとたんに体がポカポカしてきますよね。そのヒミツは、あの独特のピリッとした「辛み」をつくる二大成分でした!
◇ジンゲロール◇
→生のしょうがに含まれる辛み成分です。血行を良くして体を温め、全身の臓器の働きを活発にします。そう、腎臓の働きが活発になれば排尿が増えてむくみが改善するし、胃腸の活動が活発になれば便秘も改善するわけですね。免疫力がアップするのでインフルエンザや風邪などの感染症にかかりにくくなり、 発汗作用があるので、ひいてしまった風邪も早く治ります。しかも活発に脂肪をどんどん燃やす、太りにくい体質にしてくれるのです!
◇ショウガオール◇
→乾燥や加熱によって、ジンゲロールの「代謝を良くしてカラダを温める」働きがパワーアップした成分。強い抗酸化作用で体内の活性酸素を抑え、老化防止に役立ちます。たんぱく質分解酵素も含んでいるので、魚や肉料理に使うと消化を助けてくれるのですね。
漢方薬には乾燥したしょうがが用いられ、生のものより薬効が高いともいわれています。それで、生のしょうがを薄くスライスして天日干しまたは電子レンジ弱で乾燥させた「乾燥しょうが」を愛用している人もいます。
この強力な温め作用をもつしょうがを入れたホットドリンク・・・たしかに、体温上がりそうです。ホットミルクやココア、食事時にはお味噌汁やスープ。温かい飲み物にしょうがをプラスして、体温を上げる『温活』をしましょう。もっとも効果的な飲み物といわれるのが・・・
温かい紅茶+しょうが+黒砂糖=トリプル温め効果!
『しょうが紅茶』を飲み続けていると、体温が上がって冷えが改善し「便秘」「むくみ」「生理不順」「リウマチ・喘息」などの症状が軽減する人が多いといいます。体がスッキリして体重が減り、吹き出物も治って美肌に!といいことづくめ。
もちろん効果に個人差はありますが、飲むと速攻で体が温まるのはまぎれもない事実。じつは、発酵茶葉である紅茶は体を温める陽性食品。しかも強い抗酸化作用をもつタンニンを含んでいて、組み合わせることで しょうがパワーを効率よく摂取できるのですね。お好みでミネラル豊富な黒砂糖やハチミツを加えると、さらに温め効果が増すそうです。
『しょうが紅茶』のつくり方は、とってもシンプル。
いつもの紅茶に「おろししょうが」をスプーン1〜2さじ(約10g)プラスして、温かいうちに飲むだけ! 1日3〜6杯が目安です。
しょうがは、おろししょうがでなくてもかまいません。乾燥しょうがを茶葉とともに抽出したり 、市販の「しょうがチューブ」(1杯には約2センチ分)や「しょうがパウダー」(1杯には約小さじ1)も、紅茶を飲む時そのまま入れられて便利ですね。しょうが紅茶入り水筒やしょうがチューブを持ち歩くのは、健康志向の若い女性の間では今ちょっとしたブーム。お湯で溶くだけの製品も、いろいろ売られています。糖分などの成分表示をよく見て、なるべくナチュラルなものを選びましょう。
とくにおすすめの飲みどきは、朝食前と入浴前!
起き抜けに飲めば、体温が上がって内臓が元気に動き出し、飲んでからのバスタイムでは体内の余分な水分や老廃物が大量の発汗とともにスムーズに排出されます。また、食前に飲めば食べ過ぎを防止し、食後に飲めば吸収や燃焼・排出に役立ちます。
冬の風邪や肌トラブルは「冷え」による代謝の低下が原因なんです
東洋医学では『気・血・津液(しんえき)』という3つの物質がカラダを巡ることで健康が保たれていると考えます。
「冷え」で『気』の巡りが滞ると、コンコンと立て続けに出るセキやノドの痛み、悪寒を感じるような冬の風邪の原因に。疲れやイライラも引き起こします。体の隅々に『血』が行き届かなくなると、肌の新陳代謝も停滞! シミ・しわ・肌荒れの原因に・・・肩こり、生理痛も血行不良から起こります。体の水分『津液』のバランスが崩れると、むくみや頭痛・不眠などの症状や下痢・便秘・胃痛などの胃腸障害が起こります。
しょうがは、血行不良が原因のしつこい頭痛や肩こり、風邪を改善する漢方薬としても使われます。体を温めて巡りがよくなると、不調が改善されるだけでなく ダイエット効果&美肌効果も期待できるのですね。
皮ごと冷凍すると とっても便利! でも辛みを無理しないで
皮のすぐ下は栄養たっぷり。特有の芳香と強い殺菌効果をもつ精油成分が含まれています。できれば皮ごと、またはできるだけ薄くむくかスプーンや丸めたアルミホイルでこそげとるようにしましょう。丸ごと凍らせると、すりおろしやすくなりますよ。また生のまますりおろしたものを製氷皿に小分けして冷凍し、ジップロックで保存するのもオススメです。
世界中で副作用の報告もなく、風邪を早く治してくれるしょうがですが、39℃以上の発熱時や脱水症状があるとき、また 胃や舌に不快感を感じる・食べて火照りを強く感じるなど刺激があるときは摂取を避けてください。しょうがの辛みは感じ方に個人差があるので、体質や生活スタイルに合わせた適量をマイレシピにしたいですね。
あったかドリンクにしょうがをひとさじ混ぜて、冬をポカポカにのりきりましょう!
<参考>
『生姜力』石原結實(主婦と生活社)
『冷え知らずのしょうがレシピ』早乙女孝子(PHP研究所)