運営主体であるNTTドコモは、配信プラットフォームを提供することで、自社の通信インフラを活用した新たな教育ビジネス展開を描く。JMOOCには大手マスコミや出版社、電機企業も参画しており、“学び”に関する事業を模索しているようだ。
現在、gaccoには大学だけでなく、社会人向けの資格専門学校も参画する。開始当初は大学の“一般教養”や学術的な内容の講義が目立っていたが、最近では高度なビジネススキルを学びたいとのニーズにも応えつつある。今では12万人以上が会員登録を行う。
●1回10分程度の動画閲覧、テストやリポートも
gaccoは、メールアドレスさえあれば会員登録が可能で、1回あたり10分程度の講義動画によって学ぶ仕組み。1週間に10本程度を閲覧していくペースだ。その後に行われる小テストやリポート提出などを行い、基準を満たすと修了証も発行される。掲示板を通じて質問を投げかけることも可能だ。
誰でも簡単に受講自体は始められるものの、内容は大学レベルの授業を基本としているため、安易な気持ちで受講してもついていくのが難しいとの声も多い。
また、講義のなかには動画学習後に、実際に大学の教室などで学べる対面学習が別に設定されている場合もある。こちらは数千円から1万円程度の受講料が必要となる。
現在提供されている講義では、「人とロボットが共生する未来社会」(講師:大阪大学・石黒浩教授)や「江戸文化入門」(講師:法政大学・田中優子総長)、「脳と創造性」(講師:脳科学者・茂木健一郎氏)といった大学の授業で一般教養科目に入りそうなテーマをはじめ、「《実務・資格講座》ビジネスパーソンのためのファイナンス戦略の基礎」(講師:資格の学校TAC・駒沢寿講師)や「プログラミング入門~Javaによるオブジェクト指向プログラミング」(講師:大阪工業大学・鈴木基之准教授ら)など、ビジネス現場で使える実践的な講座も多くなっている。