実際に大学や専門学校などへ通った場合だと、数万円から十万円以上は受講料が必要となりそうな内容だけに、無料で学べる機会が得られるのは貴重だ。
●生放送では講師とやりとりも可能な「スクー」
一方、民間企業側でも無料で学びの場を独自に提供する動きが目立っている。なかでも支持を集めているのが2011年末に開始した「schoo(スクー)WEB-campus」だ。
元リクルート社員の森健志郎氏が24歳の時に立ち上げたベンチャー企業が運営。大企業や大学が主導していては実現しづらいような身軽な動きと発想で成長を遂げ、現在では20万超の会員を抱えるまでになった。
ベンチャー起業家やクリエイターによる講義が多く、その内容も自らの経験を語ったり、ビジネスのあり方を示したり、gaccoと比べると、より実践的で身近な内容といえる。そうしたこともあり、リアルの授業のように、ネット上でリアルタイムの“生放送”を行っているのが特徴だ。
放送時間が決まっているため、“いつでも学べる”というわけにはいかないが、日時があらかじめ決まっているため、受講意欲は高まる。また、講師とチャットを通じてやりとりが可能となる生放送ならではのメリットもある。
起業やビジネスに関連する内容だけでなく、「デザインプロセスから学ぶ、愛されるプロジェクト・プロダクトの作り方」「『30分の熱血起業塾×2』ビジネスイメージを強める『社名、ロゴの作り方とカラーの使い方』」「事例で学ぶ 結果を出す小川卓のウェブサイト分析&改善術」など、現場ですぐ活用できそうな講座も目立つ。
生放送を見逃した場合は、一部有料となるが、録画中継で閲覧することもできる。
gaccoやschooのように、手軽に始められるネット上の無料スクールサービスは年々充実している。受講者側としては、続けられなくなったとしてもリスクはゼロなので、まずは試しに始めるには格好の存在といえそうだ。(山田功)

