脳をリフレッシュさせることも必要だが、スマホ依存となり「受験うつ」になってしまうリスクもあるという(写真/GettyI mages)
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 中学受験は大きな成長の機会となる一方、深夜までの通塾や学習に加え、合格への重圧など心身の負担は大きい。「受験うつ」になる子どももいるという。AERA 2024年7月1日号より。

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 小学6年生の1年間で、丸一日休んだのは3日だけ。順調に成績は伸び、子どもの希望で最難関中学に挑戦した。だが、結果はあえなく撃沈。第1志望校と校風が近い私立の中高一貫校を受験し、そこに入学した。

「本人が自分の力で楽しく、時には苦しみもがきながら中学受験を経験したことは、その後の学びの大きな糧となりました」

 そう振り返るのは、大阪府に住む50代の女性だ。10年ほど前に息子が中学受験を経験。もともと地元公立校の評判も良く、受験を絶対視しておらず、それゆえ受験も子ども主導で進んでいった。志望校合格は叶わなかったが、子どもにとっていい経験になったと感じている。一方で、こんな危機感もあった。

「受験塾のあおるような指導に単純な男子は調子に乗り、良くも悪くもひたすら上を目指し、親がある程度ブレーキをかけないと長期にわたり心身が限界になるような状態でした」

 早期入塾したほかの子が、後から入ってきた子どもに成績を抜かされ、追い詰められていく。そんな姿を見ては胸が痛んだ。

「脳をいかにリフレッシュさせることができるかどうかも、受験においては重要です」

 そう話すのは、受験を専門に扱う心療内科「本郷赤門前クリニック」院長の吉田たかよしさんだ。2005年の開院以来、多くの受験生や保護者の診療にあたっている。

 受験をうまく乗り切れる子とそうでない子の間には、脳の休め方に大きな差があるという。

「集中して勉強した後には、集中して脳をリフレッシュさせる遊びの時間も必要です。ただ、YouTubeやゲームが息抜きになっているという子どもが増えていることを懸念しています」

 NTTドコモ「モバイル社会研究所」の調査によると、小学校高学年のスマホ所有率は23年に4割を超えている。使いこなすことで学習にも活用できる半面、リスクもある。

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福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

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