駅南口前の通りに立つやきとり戎で疲れを癒やす(写真=倉田貴志)
駅南口前の通りに立つやきとり戎で疲れを癒やす(写真=倉田貴志)
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 25日放送の「マツコの知らない世界」(TBS・毎週火曜午後8時55分)は「東京街グルメSP! 女性も住みたい街・西荻窪&絶品銀座ランチ」だ。この番組ならではの穴場スポットが登場するか必見! 特集される「西荻窪」に関する過去の記事を振り返る(「AERA dot.」2022年9月5日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)。

【写真】やきとり戎の自慢のイワシコロッケと焼き鳥

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 東京西部を一直線に走る中央線に1922年、高円寺・阿佐ケ谷・西荻窪の3駅が誕生した。それから100年。駅周辺には“中央線文化”と呼ばれる独特の雰囲気が醸成されてきた。その魅力を探る三駅物語最終回。作家の角田光代さんが、西荻窪の好きな店について寄稿した。
 

 西荻は、町の規模がそう大きくなく、商店街が充実しているところが私には魅力です。フランチャイズの店よりも個人店が多く、対応がマニュアル化しておらず、人間的なのもほっとします。飲食店、雑貨屋さん、古本屋さん、アンティークショップ等々、ちいさなお店が多いけれど、一軒ずつに個性と表情があります。

・とらやさん(コロッケ、ポテトサラダ)
お総菜の種類が多く、どれもおいしいので、三十年近く通っています。オーソドックスでクリーミーなポテトサラダ、こしょうのきいたコロッケはとくに好きです。

・千鳥
縄のれんに赤提灯、コの字のカウンターの風情がとても好きです。味のしみこんだおでんを選ぶのもたのしいです。混んでいても不思議としずかなので、本を読みながら飲むのにとてもいいです。

・戎
旅行をしたあとに、西荻のホームに降り立つと戎さんの焼き鳥の匂いがして、ああ帰ってきたなと思います。メニュウの品数が豊富で、小皿が多いのでひとり飲みに最適。安いし早いしおいしい。

・コノコネコノコ
旬の食材を使った創作料理は何を食べても本当においしい。のポスターやインテリアが多いのですが、お皿に醤油を入れて、猫が浮かび上がったときは感動で震えました。

静かに飲むならおでんの美味い居酒屋で

千鳥
東京都杉並区西荻南3-10-2/営業時間:17:00~21:30L.O./定休日:日、第1土、祝(営業する日もあり)/入店は1組3人まで

南口の喧騒から逃れるように店に入ると、心地よい静けさに包まれる。この雰囲気が好きで毎日通う客も多い(写真=倉田貴志)
南口の喧騒から逃れるように店に入ると、心地よい静けさに包まれる。この雰囲気が好きで毎日通う客も多い(写真=倉田貴志)
おでん7品で1210円(税込み。以下同)。種は30種ほど。夏場はダイコンは出さない(写真=倉田貴志)
おでん7品で1210円(税込み。以下同)。種は30種ほど。夏場はダイコンは出さない(写真=倉田貴志)

名物のおでん以外にも、酒好き向けの料理がそろう。1955年に創業。初代店主は84歳まで働き続けて、2005年に従業員に店を譲った。2代目は初代の味を守りつつも、少しずつ料理や酒を加えてきた。燗銅壺でつけた白鶴を飲むもよし、ピルスナーウルケルを飲むもよし

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