“ハゲネタ”をめぐる環境の変化
斎藤:それと同時に力が抜けてしまったというか。「もうこれで永久サラリーマン確定」みたいな感覚になって、次のモチベーションが出てこないのも事実でした。
そんな中で、これは本当にありがたいことなんですけど、ミュージカルのお話をいただいたり、お笑い以外のお仕事もさせてもらうようになっていきました。
お笑い以外のお仕事をさせてもらうようになって、改めてお笑いの味を再認識することにもなりました。ミュージカルは作品を見ていただく。お笑いは僕ら二人だけを見ていただく。これって、なかなかない場だなと。これも外に出て感じた思いでもありました。
それがあるからこそ、6年ぶりの単独をやろうという話にもなりました。これがここ何年かの正直な思いです。
たかし:コンビを組んだ時は、まさか斎藤さんがここまで歌がうまいとは思ってなかったですけど(笑)、いろいろな道に行かせてもらって分かったこともあったんだなと思います。
斎藤:もう一つ「M-1」で優勝した時にやっていた“ハゲネタ”をめぐる環境も変わってきました。
見た目をイジらないという風潮ができあがりましたけど、企業の営業とかに行ってもハゲをイジってほしい社長さんもいれば、そうでない方もいらっしゃる。サインを求めてくださる方の中にも、髪の毛が薄い方で自分の頭を指さしてイジってくれと言わんばかりに来てくださる方もいますし、本当に千差万別なんです。
たかし:結局、見極めというか、イジっていいのか、悪いのか。そこを“なんとなく”の感覚でやっていくしかないのかなとは思うんですけどね。