「小池さんはやっぱり強い」

 蓮舫氏の陣営幹部はこうした調査結果にため息をつきつつ、

「現職で2期やっている小池知事とは10%しか差がないとも言える」

「うちでやっている調査では、小池知事がリードしているものの、10%以下の差で競り合っている」

 自民党と対峙し、挑戦者の立場でもあったこれまでの選挙とは異なり、今回の小池知事は逆風の自民党が支援する。掲げてきた7つの公約はほとんど達成されず、学歴詐称問題という古傷もある。

「投票率が格段にアップすれば蓮舫氏が有利だと思う。どこかで波乱を起こせればと思っている」

 先の情勢調査は都内を59のエリアに分類して集計している。このうち40の地域で小池氏有利という結果になっていた。23区内は小池氏が強く、多摩地域では蓮舫氏に勢いがある。

 3番目の候補として、不気味な存在なのは、SNSで圧倒的な人気を誇る広島県安芸高田市の前市長、石丸伸二氏。先の自民の情勢調査では10%に届かず、小池陣営は今後も伸びを欠くと判断した模様だ。

石丸伸二氏

 しかし、今後、名前の浸透に伴う支持拡大の可能性もありそうだ。先の情勢調査を細かく見ると、港区ではトップが蓮舫氏。そして2位は石丸氏がつけた。

「広島の田舎の市長から都知事選にと表明して1か月。うちは伸びしろがまだまだある。SNS、スマートフォンを武器にさらに支持を拡大させたい」

 石丸氏の陣営はアエラドットの取材にそう話す。

 石丸氏を直撃した。

「小池知事、蓮舫さんの公約、拝見しました。本当にご自身で作ったものかなと感じます。私はすべて自分で作ったもの。それを訴えれば、チャンスはある」

 自民党は4月末の補選、静岡県知事選と注目選挙で4連敗中だ。小池知事との交渉役は、関係のいい萩生田光一都連会長が担っているという。

「都知事選でなんとか連敗を止めたい。萩生田さんには岸田首相も『あまり前に出ないほうがいい』と言っています」(官邸関係者)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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