春の園遊会に招待された北大路欣也さん=2024年4月23日、東京・元赤坂の赤坂御苑、松永卓也撮影(朝日新聞出版/JMPA)

「今日は愛子さまにもその話をさせていただこうかと。覚えていらっしゃるかな」と語る北大路さんに対し、「もう懐かしく、昨日もその話をして。大好きでございます」と雅子さま。愛子さまの卒業と就職も祝った北大路さんには、「仕事ではとても良い方に囲まれて、とても楽しく、先輩方が優しく楽しく教えてくださって」と雅子さま。

 一区切りついたところで陛下が、「北大路さん、ドラマで『おおヒバリ!』ってありましたですねえ」と発言、北大路さんが「えっ、ご覧になった」と驚いていた。調べると1977年からTBS系列で放送された学園ドラマだった。園遊会では皇族方が出席者の情報を事前に調べ、覚えるのだと聞く。が、「おおヒバリ!」は「調べました」ではなく陛下の「話したいです」という感じが伝わってきた。きっと高校時代、すごく楽しみにしていたドラマだったんだろうなと頬が緩む。

 3人目、美術家の横尾忠則さんは2023年に文化功労者に選ばれている。「この前お会いして、大変うれしく感じました」と、その話から始めた。陛下が「ご本をありがとうございました」と応えると、雅子さまが「お便りとご本、ありがとうございます」と続けた。どうやら横尾さんは最近、愛を描いた画集『タマ、帰っておいで』をお二人に送ったようだ。「あの猫はもう死にまして、今はおでんっていう猫がいるんです」と横尾さん。そこから画集の話が続く。横尾さんはお二人の声が聞きづらそうで、「耳のほうが不十分で、集音器を用意したんですけど」と申し訳なさそうだ。

 雅子さまが身を乗り出し、それまでの人よりずっと大きな声で語りかける。それだけでなく、写真を取り出し横尾さんに見せた。猫が写っているようで、野良だった猫を飼い始めたのが「12年ほど前、愛子が3年生くらいの時に」と説明する雅子さま。横尾さんが「これ、昔いたタマによく似ています。こんな感じの猫で」と言うと、「わたくしも絵を拝見して、もしかしたらちょっと似ているかしらと思って」と雅子さま。横尾さんの耳がよくないことを以前に会って知っていたお二人が、会話をスムーズにするために写真を用意したのだろう。

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