多くの出版社から出ている家計簿。「書いて記録することでより意識できる」と選ぶ人も(写真:写真映像部・山本二葉)
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 物価高騰の中、「うちの家計は大丈夫?」と、漠然とした不安を抱えている人は多いはず。そんなときは家計簿をつけて収支を「見える化」してみてはどうだろう。AERA 2024年6月24日号より。

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「四つある銀行口座の一つから数十万円消えていても、絶対に気が付かない自信がある」

 都内在住の女性Aさん(39)は節約よりも、ひたすら稼ぐことを意識してきた。子どもは産まないつもりで、キャリアアップのために転職。今が3社目だ。5年以上、一緒に暮らすパートナーも同じシステムエンジニア。年収は「2人合算で1500万円ほど」だったが、実際のところ、彼の今の収入はよく知らない。同棲を機に固定費、食費など、共通の支出担当は相談したものの、お互いの収支にはその後ノータッチだ。

「カードの明細は見ますが、残高不足だったことはない。保険も含めた資産もある」と、現状に不満はない。それでも「一生、健康か。老後の生活は大丈夫か」と思うと、お金が増えていっても、不安は消えない。

 夫と同じ医療機器メーカー勤務の女性Bさんは「60歳の退職まで、ついに10年を切った」というこの時期、お金まわりをなんとかしたいと考えている。

家計は管理したいけど

 長女が独立して、川崎市にある持ち家のマンションに夫と二人暮らしになったばかり。これまでは生活全般は夫、塾など子ども関係のお金は自分が支払うことで分担。家のローンの返済など、大きな出費は、話し合って決めてきた。教育費の負担はなくなったが、家計の軸の部分は、まだ夫まかせだ。

「育児が一番大変だった20年前、マンションの駐車場に突然、大型バイクが納車されたことがあって。マイカーを手放した後、夫が勝手に購入したんです」

 このときBさんは欲しいものを買えるほどの蓄えが、家計全体であるかどうかさえ知らなかった。

 昨年、同期入社の夫が子会社に出向。収入は夫を超えた。今こそ家計を管理したいが「子育てにかかっていたお金を、趣味や投資にと考えたり、電気代やガス代、物価も上がるから貯めなければと焦ったり。何かしなければと思いながら、手付かずです」と、Bさんは言う。

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