今年は暖冬とはいえ、雪国では路面が凍結し、歩道はつるつる状態です。滑りやすい道路では毎年、転倒事故で多くの人がケガをしています。このような転倒事故を少しでも減らそうと、日本気象協会北海道支社をはじめ、多くの官民などでつくるウィンターライフ推進協議会では、12月から同会のホームページで、札幌市内の翌日の歩道の滑りやすさを予測する「つるつる予報」を配信しています。

スタッドレスタイヤになり、空気や雪解け水はきれいになったが、道路はつるつるに…。

ひと昔前、雪が降る地方の自動車にはスパイクタイヤが使われていました。しかし、タイヤの鋲によって毎年アスファルトが削られ、雪解けの水は真っ黒、札幌雪まつりの雪像も粉塵で薄汚れ、特に春先は粉塵が舞い散り、空気の悪さに市民は悩まされていました。
このため、1991年からスパイクタイヤの使用が禁止され、かわってスタッドレスタイヤが登場し、積もった雪が粉塵で真っ黒になることはなくなりました。しかし、道路はスタッドレスタイヤに磨かれて、いたるところが「つるつる」になるようになりました。また、生活道路がどんどんアスファルト化され、大通りだけでなく路地もつるつるになりました。この「つるつる」道路の影響で、歩行者の転倒事故、特に高齢者の転倒が急増し、社会問題化しています。
そこで立ち上げられたのが、ウィンターライフ推進協議会です。日本気象協会北海道支社をはじめ、官・民・研究者などからなる団体で、札幌市を拠点として、雪が多い地域や寒冷地の冬を安全・快適に過ごすことを目的としています。
同協議会の「転ばないコツおしえます。」というサイトでは、雪道の歩き方、靴や服装の選び方、つるつる路面ができるまで、転倒事故の実態、転倒予防体操など、雪道を快適に歩くための情報が、さまざまな角度から専門的に解説されています。このサイトの中で12月から、「つるつる予報」が配信され、札幌市内の歩道の凍結の様子が知らされるようになりました。

スタッドレスタイヤに磨かれて、路面はつるつる状態に
スタッドレスタイヤに磨かれて、路面はつるつる状態に

雪道での転倒事故が少しでもなくなるようにと、 「つるつる予報」 が始まった。

札幌では毎年、つるつる路面で転倒してケガをする人が多数います。こういった人が一人でも少なくなるようにと、12月から「つるつる予報」が始まりました。
その日の夜から翌日の朝にかけての気温、降水量、降雪量、積雪の有無などの気象情報をもとに、翌日の歩道の滑りやすさを予測するもので、毎日17時30分に予報が更新されます。配信された予報は、翌朝の10時まで掲載されます(10時から17時30分までは予報は掲載されません)。提供は日本気象協会北海道支社です。
「つるつる予報」は、歩道の滑りやすさを3段階で予測します。
【レベル1】…あまり滑らない
【レベル2】…「歩行注意」。やや滑りやすい
【レベル3】…「転倒警戒」。非常に滑りやすい
「つるつる予報」は「転ばないコツおしえます。」のサイトの上部に提供されています。
冬の歩道や横断歩道にはつるつるしている部分がたくさんあり、札幌市内では毎年多くの人が転倒してケガをしています。ケガを防止するためには、ロードヒーティングですべての歩道をカバーできればいいのですが、それは不可能なことです。そこで、歩道が滑らないように、地域の人が砂をまいたり氷割りをしたりなど、きめ細やかな努力が重要になりますが、それでも滑る路面はたくさんあります。
札幌にお住まいの方や、札幌を観光しようと計画している方は、前日にぜひ「つるつる予報」を見て、次の日のつるつる具合に備えてください。特に、受験で札幌に行く学生の方は、前日に「つるつる予報」を確認して、絶対にすべらないように気をつけて歩いてくださいね。

受験生のみなさん、この時期はすべらないでね…。
受験生のみなさん、この時期はすべらないでね…。