日本全国に生息するクサギカメムシ。体長13~18ミリ=アース製薬提供

家屋に忍び込む達人

 果実の農業被害も深刻だが、身近な被害といえば、やはりあの強烈なにおいだろう。追い払おうとした際に、刺激臭が手にこびりついた経験のある人は少なくない。

「カメムシは危険を感じると、刺激性のあるアルデヒド類を主成分とした物質をおなか側から分泌します。これが悪臭の原因です」と、アース製薬の担当者は言う。

 ちなみに、カメムシを小さな容器に密封すると、ストレスで分泌液を出し、そのにおいで自分が死んでしまうことがある(!)。

この強烈な臭気は、洗っただけではなかなか取れない。油性と水性のにおい成分が混ざっているためだ。

「においを効果的に落とすには、油性と水性、両方の成分を落とすこと。まずは消毒用アルコールや化粧品のクレンジング剤などを手になじませて洗い、油性の成分を落としてください。その後、石けんで洗うと水性の成分も落ちて、効果的ににおいを取ることができます」(アース製薬の担当者、以下同)

 夏に向け気温が上がると、夜間、カメムシが家の明かりに集まり、網戸や玄関まわりに止まる。戸締まりしたにもかかわらず、部屋の中でカメムシを見つけてびっくりすることがある。カメムシの体は平べったいので、わずか2、3ミリのすき間があれば、明かりに誘われて侵入してくるという。

 対策は、窓サッシと網戸の間に「すき間テープ」を貼る。忌避剤を窓ガラスや網戸、玄関灯、外壁などにスプレーしておく方法もある。

洗濯物に紛れて侵入をねらうクサギカメムシ

粘着テープで駆除できる

 迷惑極まりないことに、カメムシは白っぽい明るい色を好むため、屋外に干した洗濯物にも集まってくる。先日、記者も外干ししたシャツにカメムシがついているのを見つけた。追い払おうと刺激して、においや汚れをつけられたら、最悪である。

 カメムシによる被害をどう防げばよいのか。

 アース製薬は、粘着力の強いテープを使った駆除を推奨する。

「カメムシの成虫はおなか側からにおいを出すので、背中側から粘着テープで覆うように挟んで包めば、においを出さずに駆除できます。あとはそのまま廃棄すればいい」

日本全国に生息するチャバネアオカメムシ。体長10~12ミリ=アース製薬提供
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カメムシ猛攻、地獄の日々いつまで