調査のため誘殺されたカメムシ

慎重に一発で仕留めるべし

 この方法は、洗濯物だけでなく、部屋の中に侵入したカメムシにも対応できる。ただし、粘着テープを勢いよく貼りつけてしまうと、カメムシが危険を察知してにおいを出す。作業は慎重に行い、一発で駆除するのがコツだという。

 カメムシを冷却して動きを止め、駆除するスプレーも売られている。殺虫成分が含まれていないので、洗濯物にも安心して使用できる。

 洗濯物ににおいがついてしまった場合は、再度洗濯すれば、においは取れる。

 カメムシの侵入被害が最も増えるのは、実は秋だ。涼しくなってくると、越冬場所を求めて集団で飛来する。場所によっては飛来した無数のカメムシが家の外壁などに、びっしりとつくこともある。

「本来は木の表皮のすき間などで寒さをしのぎ越冬しますが、近くに家屋があると、より過ごしやすい場所を求めて屋内に侵入してくることもあります」

洗濯して干したシャツについたクサギカメムシ=米倉昭仁撮影

洗濯物で日向ぼっこ

 カメムシは紫外線を出す照明に引き寄せられる性質がある。道路や駐車場、公園などに設置されている水銀灯は、紫外線を比較的多く出すため、カメムシが集まりやすい。

蛍光灯が発する紫外線の量は水銀灯よりも少ない。LEDは紫外線量が極端に少ない。そのため、家屋の照明を蛍光灯からLEDに交換することも、有効なカメムシ対策になるという。

 ただ、洗濯物については、対策が難しいのが実情だ。集団で飛来されれば、なすすべもない。寒さが苦手なカメムシにとって、日当たりのよい場所に干された洗濯物は「日向ぼっこ」をするには絶好の場所なのだ。

「シーツやワイシャツなど、白い洗濯物を取り込む際にはカメムシがついていないか特に注意してください。洗濯物と一緒にカメムシを家の中に持ち込んでしまいます」

 カメムシを家の中に持ち込んでしまえば、虫嫌いの人にとっては地獄だろう。カメムシの猛攻はいつまで続くのか、複数の専門家に尋ねたが、「わかりません」。しばらくは警戒が必要なようだ。

コーナン上天神中央通店にはカメムシ対策用のコーナーが設けられていた

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

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