少年院からの出院後、少年の担当となった保護司はこれまでと違った。人として間違っている考えなどはとことん指摘されるものの、あれもこれもと全否定は決してせず、常に味方でいてくれたという。頼りにしていた一方で、不安定な気持ちのぶつけ先でもあった。

「当時の私は、親も含め全てが敵だと思っていました。親とはたびたびけんかになり、その態度を保護司さんに注意されていました。カッとなって保護司さんを殴ったろかなと思ったこともありますよ。少年院で暗記させられた出院後の遵守事項を思い出して踏みとどまりましたけど」

 そして今はこう考えている。

「あのとき、本当に親身になってくれる保護司さんと出会えて、私は今を送れています。『これからは自分次第。自分を大切にね』と口酸っぱく言ってくれた。どんなことがあっても、塀の中にはもう二度と行かないように頑張ってみようと思う」

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