カタールW杯ベスト8敗退後に就任したロベルト・マルティネス監督の評価も高く、今大会の予選で破竹の10連勝で駆け抜けた結果も自信になっている。キーマンはやはりクリスティアーノ・ロナウドになるが、その中で今大会が“クリロナ有終の美”となる可能性はある。
スペインも多くの好タレントを揃える。今や世界最高のアンカーとなったロドリ(マンチェスターC)がチームの心臓として働き、1トップのモラタ(Aマドリード)も年齢を重ねて頼もしさが増した。右WGのファーストチョイスである16歳のラミン・ヤマル(バルセロナ)の才能は恐るべきもので、左WGの21歳ニコ・ウィリアムズ(アスレティック)の能力も非常に高い。
そして大会直前の親善試合では天才ペドリ(バルセロナ)が完全復活と言える好プレーを披露して準備が整った。EURO2012を最後にビッグトーナメントで早期敗退が目立ち、カウンターから一気にDFラインを破られる欠点は相変わらずだが、お家芸である華麗なパスワークは健在で、昨年6月にはUEFAネーションズリーグで優勝を飾って自信を取り戻した。イタリア、クロアチアと同組となった死のグループを無事に勝ち抜き、GKウナイ・シモン(アスレティック)が、かつての“聖イケル”のようなビッグセーブを繰り出せば、勢いに乗れる。
この5カ国に続く第2グループにも上位進出のチャンスは大いにあり、オランダはフレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)が欠場も、ファン・ダイク(リバプール)、シャビ・シモンズ(ライプツィヒ)に期待。イタリアは大会直前の親善試合2試合でも無失点と伝統の守備力は健在で、フェデリコ・キエーザ(ユベントス)、ジャンルカ・スカマッカ(アタランタ)のFW陣が爆発できれば勝ち上がれる。ベルギーはケビン・デ・ブライネ(マンチェスターC)が健在で、ジェレミー・ドク(マンチェスターC)のドリブルは必見。クロアチアでは38歳となったルカ・モドリッチ(Rマドリード)がまだ輝いている。