その他では、知将ラングニックのもとアグレッシブなプレッシングサッカーを完成させたオーストリアの評判が高く、ダークホースとして推す声が多い。また、モンテッラ監督のもとでクロアチアを抑えて予選首位通過を果たしたトルコ、司令塔MFグラニト・ジャカ(レバークーゼン)と守護神GKヤン・ゾマー(インテル)を擁するスイス、ロベルト・レバンドフスキ(バルセロナ)がエースに君臨するポーランド、ドミニク・ソボスライ(リバプール)を擁するハンガリーも“ひと泡吹かせる”力がある。そして日本人としてはストイコビッチ監督が率いるセルビアにも注目したい。

 決勝戦は日本時間7月15日の朝4時。W杯以上に参加国の実力が拮抗し、全試合でレベルの高い攻防を見ることができるのがEUROの特徴。今大会は各国で才能豊かな若手の台頭が目立つが、果たして結果はどうなるか。トーナメントの優勝予想ほど難しいものはないが、ラウールの代表デビュー以降、常に拳を握り締めてスペイン代表の試合を見続けてきた筆者としては、圧倒的なボール支配を武器としたラ・ロハの復権を期待したい。そして寝不足必至の1カ月を、大いに楽しみたい。(文・三和直樹)
 

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