青柳晃洋、佐藤輝明、ノイジーら投打の主力選手が不振でなかなか稼働していない阪神。交流戦に入って負け越しているにもかかわらず、セ・リーグの首位争いに踏みとどまっているのは、リーグ連覇を狙うチームの地力の強さを感じさせる。
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ただ、この選手にだけは早く復調してもらわなければならないだろう。不動の4番として期待されながら、深刻な打撃不振によりファームで調整している大山悠輔だ。
昨年は全143試合に4番で出場し、打率.288、19本塁打、78打点をマーク。最高出塁率(.403)のタイトルを獲得。リーグ優勝、38年ぶりの日本一に大きく貢献した。
「本塁打数を考えれば物足りなく映るかもしれないが、貢献度で言えば他球団の4番を打つ岡本和真(巨人)や村上宗隆(ヤクルト)に決して見劣りしなかった。リーグトップの99四球という数字が証明しているように、ボール球になる変化球をきっちり見極めて出塁していた。一塁の守備も巧いですし、どんな場面でも全力疾走を怠らない。練習熱心で野球に取り組む姿勢を含め、近本光司と共にチームのお手本になる存在です」(関西のテレビ局関係者)
今年も春季キャンプから打席で快音を響かせ、順調な仕上がりに見えたが、開幕直前に下半身のコンディション不良でオープン戦を4試合連続欠場。シーズンには間に合ったが、万全の状態で迎えられなかったことが打撃を狂わせた。春先から低空飛行が続き、打率が上がってこない。直球に強い打者だが、ボール先行の打者優位のカウントでも待っていた直球に差し込まれ、ファールや空振り、凡退に倒れる場面が目立った。
「下半身が万全でないのか、上半身であおるような打ち方になり、ミスショットが増えました。上半身の力に頼るので開きが早くなり、昨年まではバットが止まっていた変化球を見極められず空振りする。大山は責任感の強い打者です。佐藤輝明、ノイジーが打撃不振でファームに降格する中、4番の自分がどうにかしなければいけないと背負い込んでいた感じがします。結果が出ないことが焦りを呼び、完全に打撃フォームを崩してしまった」(在版スポーツ紙デスク)