従来の運用ブームといえば株価が上がったときに起こり、下がれば失速するのが常だった。相場依存の色彩が強かったわけだが、これまでとは質の違う運用ブームである、とのことだ。
ところで、新NISA口座のつみたて投資枠で買える投資信託には二つのカテゴリーがある。本数とともに記すと、「指定インデックス投資信託」232本と「指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)」49本だ。これとは別に「成長投資枠」でだけ買える投資信託が存在する。
今回のランキングは新NISAつみたて投資枠の「指定インデックス投資信託」だけを対象とし、「アクティブ運用投資信託等」にカテゴライズされるものは外している。それも入れると「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(信託報酬1.65%)」7155億円、「ひふみプラス(同1.078%)」5828億円、「セゾン・グローバルバランスファンド(同0.56%)」4812億円など少しコストが高く運用歴長めの投資信託も上位に食い込む。
このカテゴリーで躍進が目立つのは「iFreeNEXT FANG+インデックス」1828億円だ。前回調査時(322億円)と比べ、8カ月で5.6倍。米国のテック系10銘柄に集中投資する投資信託で、資金流入も値上がり率(直近1年リターン89.9%)も強烈だ。
「成長投資枠」では「FANG+」的な商品も増えている。3月13日に「一歩先いく US テック・トップ20インデックス」が設定。3月22日設定の「米国大型テクノロジー株式ファンド」はマイクロソフト、アップルなど「GAFAM」5銘柄+テスラ、エヌビディアの7銘柄に投資する。5月16日に運用開始の「Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)」はS&P500の時価総額上位10銘柄入り。ここまで来ると個別株投資と変わらない。新NISAでは今や高コスト気味のものや銘柄数を絞ったものも対象になっているのである。