AERA 2024年6月10日号より
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 つみたてNISAから新NISA「つみたて投資枠」に名前が変わり、非課税の金額も増え、期間も無期限に。こうした国の大盤振る舞いに乗り、買われている投資信託は? 対象商品が増える中、新NISAの趣旨に合わないものも出てきた。AERA2024年6月10日号より。

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AERA 2024年6月10日号より

 新NISAの資金流入が伸びている。その勢いに比例するかのごとく、米国株のインデックス投資信託を中心に値上がりが続く。そこで、新NISAつみたて投資枠の対象281本(金融庁、5月15日付資料/ETF除く)の純資産総額をすべて調べ、「指定インデックス」の投資信託をピックアップ。大きい順に30本を並べた。純資産総額は株式でいえば時価総額のようなものだ。投資信託に組み入れられた資産の値上がりや投資家の資金流入により上昇する。このランキングは売れ筋の投資信託30本とも言えるだろう。

実質人気は全世界株式

 1位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」4兆5440億円(2024年5月17日現在/以下同)。本誌が23年9月に調査した際は2兆5785億円だったので、8カ月で1.7倍である。2位は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」3兆3836億円、こちらは同8カ月で2.3倍。全世界株式の伸びがS&P500を上回っている。新NISAでは実質的に全世界株式のほうが人気なのだ。なお、このランキングとは別で「24年1~3月に、主要ネット証券5社の新NISAで実際に買われた投資信託」の調査も行った。この調査では、やはりeMAXIS Slimの全世界株式が1位、同S&P500が2位だった。

 この2本を運用する三菱UFJアセットマネジメント執行役員の吉田研一さんは語る。

「eMAXIS Slimシリーズなど低コストの投資信託が増えたこと。パソコンはもちろんスマホでも注文できる便利さ。そして大幅刷新された新NISA。3拍子揃いました。今の運用ブームはこれまでのものと全く違う手応えを感じます」

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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