先週に多く読まれた記事の「見逃し配信」です。ぜひ御覧ください。(この記事は、「AERA dot.」で2024年5月29日に配信した内容の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)
* * *
【※ネタバレ注意】以下の内容には、アニメ、既刊のコミックスのネタバレが一部含まれます。
『鬼滅の刃』アニメ第3話から、本格的に柱稽古がスタートした。「マンガ原作に忠実」と評価の高い鬼滅アニメだが、26日放送の3話目では、アニメオリジナルのエピソード(いわゆるアニオリ)が多く含まれていた。ここで話の中心となったのは、元音柱・宇髄天元だ。「柱」を辞めた後も人気は根強く、放送後すぐにトレンドワードになり、SNSでも「天元さま!」「宇髄さん!」との声が多く上がった。宇髄は「遊郭の鬼」との戦いで左腕、左眼を失う大けがを負い、柱からの引退を表明した。にもかかわらず、「柱稽古」に参加したのはなぜか。それは、引退してもなお、宇髄にしか“できないこと”があるからだ。鬼殺隊における彼の重要な役割と、宇髄自身の「鬼殺隊への思い」について考察する。
* * *
元音柱・宇髄天元の「しごき」
柱稽古は、元音柱・宇髄天元の「体力向上訓練」から始まった。アニメでは、宇髄が剣士たちに「ハイハイハイ地面舐めなくていいから まだ休憩じゃねぇんだよ」と、厳しく叱咤していた。トレードマークとも言える、あの巨大な「2本の日輪刀」を竹刀に持ちかえていたことが印象的だ。
彼は「遊郭の鬼」との死闘によって、左腕と左眼を失っている。稽古に参加した炭治郎に、元気そうで良かったと声をかけられると、自嘲気味に、目元の派手な眼帯を、トントンと指で触りながら、こう答えた。
「元気つったって こんなザマだけどよ」(宇髄天元/鬼滅アニメ・第3話)
宇髄は後輩たちのことを「どうしようもねぇな 質が悪い!」と言っているのに、それでも訓練に根気よくつきあってやっている。引退したにもかかわらず、だ。なぜなら、宇髄は「鬼殺隊」に対して特別な思いがあるからだ。