このランキングは配当利回り順だが、「買われた金額順」にシンプルにランキングすると14位のJTが1位(16位~30位は次のページに)

 8位の中堅ゼネコン、東洋建設は2023年3月期に25円配当、2024年3月期予想は63円配当と大幅増配だが、「利益が大きく伸びているわけではありません」。

 岡村さんは高配当株を選ぶ際、高配当の「賞味期限」に注意するようアドバイスする。

「今だけ高配当の銘柄も、十数年連続で増配してきた銘柄もあります。

東証は昨年3月、株価が安値で放置されている企業に『資本効率を高める、利益還元を強化するなどして株価を上げてください』と要請しました。

そこで期間限定で利益の100%を配当する企業が出てきたわけです。

資産売却益(自社の保有株を売るなど)で配当を上積みする企業も少なくありません。身を削って株主に利益を還元しているわけです。

一方、事業が成長することで配当を増やしてきた企業もあります。長期投資するならこっちです。

配当金をどうやって確保しているのかを調べてみましょう。中期経営計画や決算説明資料に明記している企業が多いです」

製薬株も高配当銘柄の鉄板人気

累進配当株も参考に

 参考までに、配当を10年以上にわたり増やしてきた、もしくは配当を一度も減らしていない30銘柄の配当利回りランキングも載せた(本記事次のページの表参照)。

 日本経済新聞社が昨年6月末から公表している「日経累進高配当株指数」の構成銘柄だ。この中から、たとえば「利益が5期連続で伸びている銘柄=直近の業績も悪くない株」を探すのも悪くない。

 なお日経累進高配当株指数の30銘柄は年に1度、見直される。今年も6月中旬~下旬に見直し後の30銘柄が発表されるので確認してみよう。

 さて、累進配当のランキング。1位のナガセは「東進ハイスクール」を展開する教育産業大手だ。

「塾業界は少子化で先細りだといわれてきましたが、実際には『1人しかいない子どもだから、めいっぱい教育費をかける』といった家庭が増えました。

東京都が高校の授業料を無償化したことで、浮くお金中学受験に充てるケースもあります」

 米国では25期連続増配を「配当貴族」、増配が50期以上続くと「配当王」と呼ばれる。岡村さんは「17期連続減配なしがポイントになると思います」と言う。

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なぜ「17期連続の減配なし」が大事なのか?