首相官邸で岸田文雄首相(右)と面会する小池百合子・東京都知事=2024年2月2日

 先日、久しぶりに都知事記者会見を見た。ゴジラをテーマに都庁の壁面をプロジェクションマッピングすることについて時間が費やされた会見だったが、衝撃だったのは能登半島と愛媛・高知の地震を受け、東京の対策を尋ねる朝日新聞記者の問いへの答えだ。とても短い回答だったので、テキスト版の全文を掲載する。

「はい、あれ夜ですね、11時過ぎだったかと思いますけれども。今度は愛媛、高知での地震ということで、まず被災された方々にお見舞いを申し上げます。そして何よりも元旦の能登半島地震は、未だに水道、道路など、復旧・復興に向けた段階でございます。改めて、あれは震度6弱ですけれども、今回の愛媛と高知でありますけれども、首都直下地震ということに備えて、改めてTOKYO強靭化プロジェクトを、もっとスピーディーに進めていく方法はないだろうか。そしてまた、耐震化を進めることについても、よりスピード化を図っていくということで、いつ起こるか分かりませんので、また都民の皆様方にも日頃からの備えを徹底していただくということに尽きるかと思います。しっかりと努めてまいりたいと思います」

「学歴詐称疑惑についてどう答えるのかしら」と野次馬的に会見を見ていた私は、それどころじゃねーよ!と怖くなった。中身ゼロ回答である。小池さん都政の間は揺れませんように……と祈る思いだ。だいたい8年前の公約だった電柱地中化計画はどうした。我が家の前では数年前まで電柱地中化工事が行われていたが、いまだに埋まっていない。一度工事の人に「いつ終わるんですか」と聞くと「わからない」という答えが返ってきたときに、小池さんは本気ではないのだと理解した。

 かけ声は立派だけど中身はない。それが小池さんの都政。都民としての実感である。そしてそれは小池さんの生き方のようにも見える。見た目は立派、かけ声に説得力はあるが、突き詰めれば中身がない。

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