※写真はイメージです。本文とは関係ありません(koldunova / iStock / Getty Images Plus)
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 周囲に、あなたの時間・エネルギー・タイミングを奪う人はいないだろうか? 90万部を突破した人気シリーズ『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』から、理不尽で不愉快な存在との対処法を一部抜粋で解説する。

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不満をその都度表明する"わきまえない"人になれ  

 これからの時代が必要とする「グローバル人材」になるためには、周りの空気をあえて読まずに、言いにくいことをどんどん発言していく"わきまえない"人間になることが重要であると思う。

 なれ合いながら、なあなあで社会を維持してきた日本人は、自己主張が苦手である。また、"空気を読む"という題目で、同調圧力をかけて、相手の欠点を指摘することなく、相手の行動を変えようとする。思ったことを口にする"わきまえない"人は、そうした集団から排除されてしまうからだ。

 しかしそれは、国際社会では通用しない。多様性のある集団では、「言わなくてもわかる」ことなどない。考えていることを口にしない人間は軽視されるし、アホと見なされる。国際社会では「言いにくい」ことでもしっかりと発言することで、一人の人間として認められることになるのだ。

 もう一つ「言いにくいこと」を口にする理由がある。自分の人生の主役は、自分自身であるべきだからだ。

 「こんなことを言ったら嫌われるかも」「意見が否定されたら恥ずかしい」と物怖じするのは、全ての評価基準が他人になっているからである。しかも、口にする前の段階では他人の評価ですらない。他人から見た自分がどう見えるかの「妄想」でしかないのだ。

 人は社会的な生物ではあるが、今際の際を迎える時は一人である。その瞬間を、自分の意思で生きてきたと振り返れる人間こそが賢者なのではないだろうか。

 礼儀正しく穏やかなことと、不満をその都度的確に表明することは、見事に両立する。日本人の傾向に関して、海外でよく耳にする点が、「不満があるのに、それを表明するのはみっともないという思いから、耐えて耐えて耐えて最後に爆発的にキレる」だ。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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