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 ちょいギレを有効活用するためには、まず普段から心を鍛え、何事にも感情を乱されないようになろう。感情的には全く怒っていないのにキレたふりをするのは高等技術だ。心を訓練していないと、とてもじゃないができない。

 普段はさりげなく不必要なほど過剰ではない範囲で感じがいい人であり続けよう。超天才でもない限り、感情がコンスタントであることが現代そして今後のビジネス社会であなたの価値をあげる最低限の素養だ。そしてコンスタントな人がごくたまにちょいギレすることほど恐ろしいことはない。いわゆるギャップ効果だ。

 感情がコトンロールされたちょいギレでもしょっちゅうキレていては、効果も薄れ、評価も下がる。これ以上我慢していたらまずいという限界点で、タイミングをみよう。伝家の宝刀は一回しか抜けないのだ。

 いいタイミングは、あなたがやや立場が強い時だ。「あなたに断られた相手が困る」というタイミングがベストだろう。「あなたの代わりがいくらでもいる」というシチュエーションでは相手は「おーそうか!」と対抗心むき出しになる。またはあなたが耐えながらあなたの代わりがいないポジショニングを創り出せていたら最高だ。

 キレる時は上品に、キレ過ぎないように。相手へのリスペクトは不可欠である。呼び捨てや不謹慎な言い回しは厳禁。相手を感情的にしない、追い詰めないことを心がけよう。

 それがアホと直接対決せずにアホに勝つ手段だ。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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