田村耕太郎『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』(朝日新聞出版)
田村耕太郎『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』(朝日新聞出版)>>本の詳細はこちら

 私も日本の地方都市生まれ。そういう傾向を持っていたが、海外で仕事を始めると、このスタイルは本当にまずいと思い直した。なぜなら、海外では「耐えて耐えて耐えている」ところはほとんど理解されないからだ。それどころか何も言わないことは、「納得しているんだね」と思われる。

 そして、日本人が我慢の限界で突如キレると、海外の人は驚く。耐えていたことに評価どころか不信感さえ抱き、キレるところに人間としての安定性のなさを見つけ、その日本人の評価は下がる。

 不満は最初から、表明すべきだ。その時に気をつけるのは、「穏やかに」「トーンを変えず」「堂々と」「理路整然と」表明すること。これを守れば、不満を口にしても、礼儀正しく穏やかな印象は全く損なわない。

戦略的ちょいギレのススメ

 突然キレるのが駄目ならどうすればいいのか? そこでオススメするのが、戦略的にちょっとだけキレることだ。

 大事なポイントは心の中は「平静」であること。

 感情的になってキレたらそれは単なるアホになってしまう。敵をつくり未熟な人間だと評価を下げるだけだ。なぜ戦略的にキレることが大事なのか? それは都合よくコントロールされないためだ。注意すべきポイントは、次のとおりだ。

 日常でキレる必要が全くなければちょいギレも必要ないが、世の中はそんなに甘くないだろう。アホの日ごろの態度に「なめんじゃないよ」と思うこともあるだろう。嵐が過ぎればいいように時が解決することは放っておけばいい。

 しかし、キレないと中長期的に都合悪くコントロールされそうな事案は、時が過ぎるのをただ待っていてはまずい。その事案への対処法のスキルが、ちょいギレだ。

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?
次のページ
直接対決せずにアホに勝つ手段とは?