「自己紹介文もだし、プロフィル写真も重要です。一番理想だと思ったのは、ハワイのビーチで4人くらいで後ろ向きでジャンプして、みたいなの。あれは効果的だなと思って、似たようなやつを使ったりしました」
次のステップに早めにいくことも心がけた。メッセージを重ねるほど、つまらない会話になる可能性も高くなる。自分に敵意がないことが伝わったと思えば、なるべく早くデートに誘うようにした。
試行錯誤の末、アプリで出会った同い年の女性(31)と交際し、昨年結婚。会話のテンポ感や性格も合い、居心地がいい。友達の妻という「異性の目」を意識したことが功を奏したという。
「親も『今どきだね』って感じでした。でも実家に帰ったとき、母親がおばあちゃんに『そうそう、出会い系』って話をしていたのが聞こえてきた。おばあちゃんに伝えるにはそう説明するのがわかりやすいけど、出会い系は悪いイメージが強いですよね」
そう話す男性の口ぶりはどこか余裕そうだった。
アプリ利用者が急増
明治安田生命が20歳から79歳の既婚男女を対象に実施した調査によると、全体の31.2%が出会いのきっかけを「職場の同僚・先輩・後輩」と回答。次いで、23.6%が「友人・知人の紹介」と答えていた。一方、1年以内に結婚した夫婦にしぼると「マッチングアプリ」が「職場の同僚・先輩・後輩」と同率の25%でトップに。余談だが、アエラの連載「はたらく夫婦カンケイ」でアプリ婚した夫婦が初めて登場したのは、21年5月。二人の出会いを知った編集部員が、前出の男性の母親と同じく「今どき!」とざわついたことを覚えている。
「マッチングアプリの利用状況は、この10年ほどでかなり驚くような状況になっています」
そう話すのは、累計会員数2千万人超を誇るアプリ最大手「ペアーズ」の広報担当者だ。
「コロナ禍を経て、アプリを使う人はさらに大きく増えました。昨年11月の調査では、4人に1人がアプリを介して結婚したこともわかりました」